電話業務で無駄な時間がかかったり、上手く取り次ぐことができなかったりといった状況が続くと、その分、ビジネスチャンスを逃したり、会社の信用という意味でも大きな損失を与えてしまいます。
そのため、自社の電話業務に無駄がないかということについて、どんな企業であっても、定期的に考えることが必要です。自社の電話業務に不安を感じている場合、主に以下のようなお悩みを持っているのではないでしょうか。
・「電話対応に追われ他の業務が進まない」
・「お客様や取引先に対する電話対応が遅くクレームを受けることが多い」
・「電話の内容が上手く伝達されていないことがある」
今回は、そのような悩みを解決するために、まずは電話業務が増加する原因とその課題を理解したうえで、電話業務を効率化する方法について具体的に解説します。
最後には、電話業務を効率化するためのおすすめツールについても紹介します。
電話業務をより効率的に行いたいという方は、ぜひ参考にしてください。
電話業務が増える原因と課題
電話業務が増える原因と課題を理解することが、電話業務の効率化の近道です。
具体的な原因と課題である以下3つを解説します。
①担当者につながりにくい
②無駄な電話が多い
③単純な伝達ミスが多い
担当者につながりにくい
外回りをしている担当者あての電話を受けたが、その担当者が外出中ですぐに繋ぐことができなかったという経験が一度はあると思います。
こういった場合、当然ですが、担当者は掛け直しをするという手間がかかってしまいます。また1回や2回であれば許されるかもしれませんが、3回以上続けて担当者につながらない場合、取引先やお客様に対しても、不快感を与えることにもなりかねません。
そうなると、担当者への信用はもちろん、会社自体への信用も落ちてしまうため、長期的に見れば自社の売上にも悪影響を与えることになります。そのような状況を少しでも減らすためには、外出中の社員にも内線をスムーズにつなげるシステムを導入するといった対策が必要です。
無駄な電話が多い
緊急性がない、内容がまとまっていない、話のゴールや目的が見えない、こういった電話は、必ずしも電話でやり取りする必要がなく、無駄に電話業務が増える原因になります。
また電話中には、自分と相手は他の業務を進めることができず、電話しかできなくなるため、お互いの貴重な時間を奪ってしまいます。緊急性がない場合にはチャット、内容を整理してから連絡することの徹底、自動音声案内システムの導入といった対策を行いましょう。
電話の必要がない単純なやり取りを減らす仕組みについて、普段から意識し、時間をかけて作り上げることが重要です。
単純な伝達ミスが多い
電話慣れしていない従業員は、業務に不慣れで余裕がなく、聞き間違いや伝達ミスを起こしやすいです。また、電話に慣れていたとしても、相手の声の大きさや電波の状態などで、誤った情報を聞き取ってしまうこともあるでしょう。
こういった単純な伝達ミスが起こってしまうと、正確に聞き取れていれば、本来起こることのなかった、情報を確認する作業が必要になります。電話に不慣れな従業員が多いのであれば、電話スキルの高い従業員の採用、電話業務をフィードバックできる環境を整え教育することで対策が可能です。
誤聴による伝達ミスであれば、電話の録音機能を活用し、聞き取りに自信がない箇所を聞き直すことで伝達ミスを極力防ぐことできます。
電話業務を効率化するメリット
電話業務を効率化するメリット
今の無駄の多い電話業務を効率化できれば、組織は具体的にどのような恩恵を受けられるでしょうか。
電話業務を効率化するメリットは、以下3つです。
①顧客満足度が上がる
②従業員が働きやすくなる
③人手不足の解消につながる
顧客満足度が上がる
もしも電話がつながりやすい体制を作り上げ、かつ丁寧な電話応対を心がければ、それだけで顧客満足度の向上や企業の印象アップを期待できます。
スムーズで丁寧な電話対応により新規顧客、既存の顧客ともに自社のファンになり、長期的な継続顧客になってくれる可能性が高まるでしょう。リピーターとなった継続顧客は口コミなどで自社の商品やサービスを紹介する可能性が高く、新規顧客の獲得や、将来の売り上げへの貢献が期待できます。
従業員が働きやすくなる
電話業務を効率化でき、対応に余裕ができれば、電話以外の業務にも手が回り、従業員の負担が大きく減って生産性が上がるため、働きやすい職場環境につながり、従業満足度の向上、離職率を下げることも期待できます。
人手不足の解消につながる
電話業務が効率化できれば、電話業務に取られる人手が減り、限られた人数でもスムーズに業務を回すことができます。人手不足に悩んでいる企業が多いといわれる昨今ですが、人手不足の解消方法は人を採用することだけではありません。
電話業務の効率化が求められる企業
どんな企業でも電話業務の効率化は求められますが、中でも特に効率化が求められる企業についてその理由とともに紹介します。
カスタマーサポートに力を入れている企業
カスタマーサポートとは、お客様の問い合わせに対応する部署のことです。
こういった部署が電話業務を効率化できれば、一日に対応できる電話の件数が増え、お客様や取引先の悩みの解決や、商談を数多く受けられることで売上の増加が見込めます。
またカスタマーサポートは、毎日かなりの数の顧客対応をすることによって、社員がストレスを感じやすく、離職率が高いため、人員が不足しやすい傾向にあります。電話業務を効率化することで、社員のストレスを軽減し、離職率の低下や、少ない人員で業務を行える組織作りができるでしょう。
ルート営業に力を入れている企業
ルート営業に力を入れている企業は、会社番号に電話がかかってきた際、担当者が外出している可能性が高く、1度でうまく電話を取次できない可能性が高いです。
ただ会社番号にかかってきた電話を社外でも受けとれるシステムや、担当者にうまく電話を振り分けられるシステムを導入すれば、そのような問題が改善できます。
商談のチャンス逃すことや顧客にストレスを与えることを避けるためにも、ルート営業に力を入れている企業は、電話業務を効率化できるシステムを導入するべきです。
テレワーク導入を検討中の企業
テレワークを導入するようになると、社内にいる人だけで問題を解決できないことが増え、テレワーク中の社外にいる社員ともコミュニケーションを取ることが必要になります。
チャットツールの導入で連絡を取ることで解決できることもあるものの、わかりづらい内容に関しては主に電話で連絡を取ることになるでしょう。
またZOOMで連絡をとるという手段もありますが、電話のようにどこにいても手軽に利用できるわけではありません。そしてもし社外に電話をかけることが増えると、その分の電話代で多くの費用がかかることが考えられます。
そのためテレワーク導入を検討中の企業は、いつどこにいても通話料を抑えてつつ手軽に電話できる、インターネット回線を用いた電話システムを活用すべきです。
電話の業務効率化の方法
電話の業務効率化の方法を合計7つ紹介します。
最初から全てを取り入れることは難しいと思うので、まずは導入しやすいことから、実行してみることをおすすめします。
IVR(自動音声応答システム)を導入する
IVRとは、掛かってきた電話に対し、自動音声で応答してくれる音声案内のことをいいます。電話をかけた側に必要な情報をアナウンスすることや、問い合わせ内容によって適切な部署や担当者につなぐことが可能です。
電話をかけた側の問題に対し、最短で回答できるため、自分と相手の双方に対し無駄な電話を減らすことができます。
クラウドpbxを導入する
クラウドPBXとは、インターネット回線を利用し、オフィス専用電話の機能を利用できる電話サービスのことをいいます。クラウドPBXの機能の1つとして、外出先でも会社番号で発着信できるというものがあります。
外出先でも会社番号に掛かってきた電話を受けることができるため、担当者につながりにくいという問題を改善できるでしょう。加えて、クラウドPBXでは、さきほど紹介したIVR機能も利用できるため、無駄な取次なく、担当者にスムーズに電話をつなぐことができます。
クラウドPBXには、その他にも様々な機能があるため、電話業務を効率化したい企業は、導入することをおすすめします。
電話代行サービスを活用する
電話代行サービスとは、会社への全ての電話に対し、代行業者が対応してくれるサービスのことをいいます。自社で電話対応する手間が減り、目の前の仕事に集中できるため生産性の向上が期待できます。
加えて、電話対応に必要な人員を確保する必要がなくなるため、人件費削減が可能です。また、電話に特化した専門スタッフであるため、伝達ミスを減らせることも見込めます。
テレワーク環境を整備する
テレワーク環境を整備できれば自宅で仕事できるようになり、全国から社員の採用が可能となります。
採用できる人材の範囲が広がることで、質の高い人材を採用できる可能性が高まります。電話の業務効率化はもちろん、全ての業務の効率化が期待できるでしょう。
テレワークで仕事ができる仕組み作りを進めるために、ZOOMやクラウドPBXなどのインターネット回線の電話システムを利用し、場所を問わずスムーズに連絡ができる手段の構築をすることが大事になります。
チャットツールを利用する
チャットツールとはPCやスマートフォンなどを利用し、リアルタイムで情報交換できるシステムのことをいいます。チャットツールを活用することで、一言で伝えたい内容は、電話をかける必要がなくなり、無駄な電話を減らすことができます。
おすすめでき、一般的にもよく使われているツールは、チャット機能だけではなく「タスク管理機能」「ビデオ通話機能」「外部サービス機能」などが充実しているSlackとChatworkです。
Webフォームを用意する
電話以外の問い合わせ手段として、Webフォームを用意できれば、電話対応の手間を省くことができます。
テキストベースでのやりとりであるため履歴が残り、言い忘れや言い間違いといったことが一目確認できます。Webフォームを用意できれば、無駄な電話が減り、伝達ミスの確認も簡単になるでしょう。
FAQを作りこむ
FAQとは一言でいうと「よくある質問とその回答という意味」です。FAQを作りこみ、疑問を解決できれば、電話をかける必要がなくなるため、電話業務に割かなければいけない時間は必然的に減ります。
FAQを作りこむためには、お客様や取引先と直接やり取りが多い営業担当や電話担当に、普段から「よくある質問」を共有してもらうことが重要です。
チャットボットを導入する
チャットボットとは、チャットで送った内容に対し自動で応答するツールのことをいいます。このツールによって問題が解決できれば、電話がかかってくる頻度が少なくなるため、電話業務の時間の削減が見込まれるでしょう。
質問に対し適切な回答ができるように、先程のFAQと同様、営業担当や電話担当と連携して、情報共有をおこなうことが大事になります。
【結論】電話の業務効率化にはクラウドPBXがおすすめ
クラウドPBXを導入すれば、電話業務が増える原因となる「担当者につながりにくい」「無駄な電話が多い」「単純な伝達ミスが多い」といった3つの課題を全て解消できます。
それぞれ詳しく解説します。
「担当者につながりにくい」の解消
先程の章でも紹介しましたが、クラウドPBXを導入すれば、どこにいても会社番号で発着信でき、加えて自動音声応答システムにより、担当への取次がスムーズになります。そのため、担当者につながりにくいという問題が解消され、電話業務を効率化できます。
「無駄な電話が多い」の解消
クラウドPBXは、インターネットのクラウド上で情報を共有しているため、取引先やお客様の情報を自動で共有することができます。例えば、電話帳を社内共有できる機能や、電話がかかってきた際、顧客情報が表示できるといった機能などがあります。
こういった機能により、情報が登録されているお客様や取引先に対し、基本的な情報を確認する手間が省けるでしょう。また、電話がかかってきた段階で、自分に関係のある電話か確認できるため、無駄な電話を受ける機会が減少します。
「単純な伝達ミス」の解消
クラウドPBXは通話録音機能を利用することで、電話終了後に通話内容の再確認ができるため、単純な伝達ミスの減少が見込めます。この録音機能は、インターネットのクラウドを活用したサービスであるため、外出先でも録音機能の利用と確認の両方が可能です。
またクラウドPBXは、いつどこでも会社番号で発着信できるため、テレワークしやすい環境を整備できます。テレワーク環境が整備されれば全国各地から社員を採用できるようになり、優秀な社員の確保が期待できます。
優秀な社員の確保により、業績が向上することはもちろん、電話での単純な伝達ミスは減少するでしょう。
まとめ
電話業務が増える原因は大きく分けて以下3点です。
・担当者につながりにくい
・無駄な電話が多い
・単純な伝達ミスが多い
これらを解決するには、原因にあった解決策を取ることが重要になります。
7つの解決方法を紹介しましたが、以下4つが特に優先順位の高いものです。
・IVRを導入する
・どこでも会社番号で発着信できるようにする
・テレワーク環境を整備する
・通話録音機能を利用する
クラウドPBXを導入すれば、いつどこいても会社番号で発着信ができ、外出先でも電話の取次がスムーズに行えます。他にも多くの機能が搭載されているため、電話業務の効率化を進めている企業にはおすすめです。
クラウドPBX専門の情報サイト「クラウドPBXナビ」では、そんなクラウドPBXについて、その仕組みや機能などについてより詳しく解説しています。クラウドPBXに少し興味がある方はぜひ参考にしてください。