ワークフローとは、業務の流れやその流れを図式化したものです。ワークフローシステムとは、ワークフローの図式化した仕組みをコンピュータに落とし込み、効率化させるシステムのことです。業務手続きを電子化し、業務負担を減らすことを目的としています。ここではワークフローシステムを導入することで得られるメリットと、導入した場合にどのように業務が変化するのかを解説いたします。
目次
1.ワークフローシステム導入のメリット
ワークフローシステムを導入すると、業務手続きが電子化されてペーパーレス化が実現します。ペーパーレス化することで、文書の紛失や破損、保管場所の確保などのリスクが軽減されます。
電子化されるメリットは、ペーパーレス化だけではありません。伝達や共有が瞬時に簡単に行えることや、検索機能による資料・文書の探しやすさも大きなメリットです。閲覧制限をすることで部外者の持ち出しや閲覧などを防ぎ、セキュリティ強化が図られます。
◇部署ごとのメリット
ワークフローシステム導入のメリットは、部門ごとにも表れます。ここでは、部門別のメリットをご紹介していきます。
- 全従業員
- 経営部門
- 営業部門
- 管理部門
社内申請の際に紙文書でおこなうと、書類の印刷や移動、差し戻し時の修正など手間がかかる作業が多いです。しかしワークフローシステムを利用した社内申請は、申請内容を選択し必要な項目の入力だけで業務が完了します。進捗の確認や差し戻しの修正などもパソコン上でできるため簡単です。
紙帳票の場合決裁者が近くに在籍していないとき、申請から決裁まで時間がかかってしまう可能性があります。
ワークフローシステムを導入すると、決裁者が別拠点にいても関係なく迅速に意思決定が遂行可能。監査に必要である証跡管理も簡単です。
会社に一旦戻って、申請や承認業務をおこなっていては営業時間や商談時間が奪われてしまいます。ワークフローシステムの導入で、外出先から申請業務や見積承認が可能です。営業以外の事務作業を効率化させ、営業や商談に注力できます。
手作業でおこなう紙帳票とは違い、ワークフローシステムを導入すると帳票管理や申請書式管理の負担が軽減されます。
申請書式が部門ごとで違う場合は、申請書式を全社統一書式にすることで業務が効率化されます。書式変更時もリアルタイムで反映されるため、通常業務をしながら更新することが可能です。
2.ワークフローシステム導入後における業務の変化
ワークフローシステムを導入する目的は、業務負担の軽減と事業推進力の強化です。ここでは、ワークフローシステムを導入することで、具体的にどのように業務が変化するのかを解説していきます。
①効率化できる業務
- 個人情報の変更届や雇用契約書など雇用に関する申請
- 交通費の精算や出張費の精算など経費に関する申請
- 議事録やプレゼン資料など社内の情報共有
- 保管義務がある書類の管理
主にこのような業務を効率化してくれます。
これらの業務は事業をするにあたって削減できない業務ですから、いかに効率化できるかが大きな鍵となってきます。業務に従事する従業員の数が多いほど、ワークフローシステムを導入した際の効果は大きなものになるでしょう。
②ペーパーレス化
ペーパーレス化は、紙がなくなりコストの節約が期待できるだけではありません。支社とのやりとりで必要な書類の郵送ですが、ペーパーレス化して電子化することで郵送時間をなくすことにも成功します。
とくに承認が必要な書類の場合郵送時間があると、承認をもらうまでの時間は業務をストップしなければならないという問題に直面します。しかしペーパーレス化を徹底することで、スピーディーなやり取りが可能となるのです。
③体制の強化
ワークフローシステムで蓄積されたデータを利用すれば、体制の強化につなげることもできます。
例えば新しい企画を稟議で上げる場合に、過去の稟議書を閲覧し似通った企画はないのかを確認することができますし、過去に成功した企画の内容を確認して新しい企画に取り入れることもできます。
検索を利用して簡単に過去のデータを拾えるたり、リアルタイムの情報を入手したりできる点がワークフローシステム導入の最大の強みだといえるでしょう。
3.まとめ
ワークフローシステムの導入は各部署の業務を効率化させるだけでなく、企業全体の強化にもつながる非常に便利なシステムです。大企業、中小企業問わず、さまざまな企業に導入されています。
郵送やメール、FAXでのやりとりが不要になり、オフィス外でも作業ができるようになるので、スピーディーかつスムーズに業務をおこなうことができるのです。保管期間が決められている書類を大きなファイルで保管する必要もなく、オフィスを広く使えます。デスクが書類で散らかることもなくなります。
ワークフローシステムを導入して、業務の効率化と企業全体の強化を目指してください。