マンパワー不足により業務に支障がある場合や、より業務を効率化したい場合にシステムの導入を考える経営者の方は多くいらっしゃいます。しかし、システムの選び方を間違えたり効果的な使い方ができていなかったりすると、システムを導入しても意味がありません。この記事では、賢くシステムを導入し使う方法をご紹介します。
目次
1.システムの選び方
システム選びの失敗例3つと、失敗例を参考に賢くシステムを選ぶ方法を3つご紹介します。
①失敗例
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- 使わないシステム
どんなに素晴らしく便利なシステムでも、使わなければ意味がありません。従業員が誰も使いこなせないシステムや、使いたがらないシステムの導入は無駄でしかありません。
システムの導入に30万円かけたと仮定します。利益率が10%の企業なら30万円は300万円の売上に相当するのです。スタッフ全員が活用できるシステムの導入をイメージし、シミュレーションするようにしてください。
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- 連携がないシステム
部署間の連携がないシステムを導入してしまう失敗例も多くみられます。一部の部署では利便性が高いと好評のシステムでも、間接部門からは不便だと感じている声があがる場合です。部署間の連携が上手く取れないシステムでは、企業全体の利便性向上にはなりません。
このシステムを導入すると誰にとって便利なのかということを熟考しながら導入検討するようにしましょう。
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- 誤操作が起こりやすいシステム
システムの入力ミスが、業務の混乱を招くという失敗例もあります。お金をかけてシステムを導入しても、従業員が操作に不慣れで入力ミスを起こすようではシステムを導入した意味がありません。操作性の良さ、ミスの生じにくさは非常に重要なポイントです。
②選び方
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- 情報共有
システム導入の検討段階から、そのシステムを使うと想定される従業員と情報共有することが重要です。なぜならシステムを実際に使用するのは従業員の方だからです。経営者の勝手な判断で導入するシステムを決定してしまうと、結果的にお金を捨てることになる可能性があります。従業員の意見を聞きつつ、検討することが大切です。
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- 利益を計算
システムの導入は、会社にとって投資です。投資に見合ったリターンを受け取る必要があります。30万円のシステムを導入したのに、利益が10万円なのであればそれは浪費になってしまいます。費用対効果をしっかりと見極めて導入する必要があります。高額なシステムだから効率化できるという考えは捨て、できるだけ安く効率化を図ることができるシステムを探すことも大切です。実際に安価なシステムで素晴らしい効率化に成功している企業も数多くあります。自社に見合った投資をおこなうようにしましょう。
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- 親和性
現在導入しているシステムがある場合は、既存システムとの親和性があるのかも重要です。親和性がないと、システムを導入したにも関わらず、逆に従業員の手を煩わすことになる可能性も否定できません。既存システムとの親和性があると、よりシステム導入の効果を発揮することができます。
2.システムの効果的な使い方
システムの選び方が良くても、しっかりと使いこなさなければ意味がありません。ここでは効果的なシステムの使い方を3つのポイントに絞ってご紹介します。
①課題の整理
システムを新たに導入すると、課題が見つかる場合があります。このときシステム上の課題なのか、業務上の課題なのかを明確にしてください。ここをあやふやにしてしまうと、何を解決すればいいかわからなくなり、業務に支障が出る可能性があります。適切な解決策を導き出すためにも課題の整理は大切なのです。
②プロジェクトリーダー
システムの導入後は、プロジェクトリーダーを置くことをおすすめします。なんとなく従業員に利用させていると、トラブルが起こった際に対応が遅れる恐れがあります。プロジェクトリーダーをシステムの窓口として、従業員の教育をしたり、問い合わせに迅速に対応したりできる体制を作ってください。
③教育の徹底
実際にシステムを導入すると理解できるのですが、ある程度の期間システムを利用していると、上手く使いこなせている従業員と上手く使えていない従業員の差が、顕著に見えてきます。そのまま上手くシステムを使えていない従業員を放置しておくと、トラブルが起こったり、業務効率に悪影響を及ぼしたりする可能性があります。全員がしっかりとシステムを使いこなせるようになるまで、徹底した教育をおこなってください。
3.まとめ
システムの導入には、失敗例も多くあることを念頭に置く必要があります。しかし、これまでにあった失敗例を反面教師に、慎重に選んで導入すれば大丈夫です。経営者だけで勝手に選ぶのではなく、利用する従業員を主体に置いて選びましょう。システムは導入して終わりではありません。正しい使い方ができているのか、使いこなせているのかなど目を配ることを忘れないでください。活用方法を工夫し、業務の効率化を目指しましょう。